展示動物紹介
ネコたちの谷 Big Cat Valley
ネコ科の動物は、 食肉目の中でも獲物を捕らえるために、身体能力が最も進化したグループです。 出し入れのできる鋭い爪に、大きなとがった犬歯、そして迫力のある身体をじっくりと観察してみてください。 こちらではライオン、トラ、ヒョウ、ユキヒョウと4種類のネコ科の仲間たちを、屋外と屋内の展示施設で観察することができます。トラは通常見られる黄褐色のトラと全身が白色であるホワイトタイガーを観察することができます。
ホワイトタイガー Panthera tigris
外国 語の 表記 |
Tiger 虎 호랑이 |
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分類 | 食肉目 ネコ科 |
分布 | インド |
保護 | 国際希少野生動植物種、CITES(附属書Ⅰ)、IUCN(EN) |
ヒョウ Panthera pardus
外国 語の 表記 |
Leopard 花豹 표범 |
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分類 | 食肉目 ネコ科 |
分布 | アフリカ~アジア |
保護 | 国際希少野生動植物種、CITES(附属書Ⅰ)、IUCN(NT) |
ヒョウはアジアからアフリカまで広範囲の様々な地域に分布していますが、 亜種であるアムールヒョウは現在はロシア南東部だけに生息している希少種です。夜行性であり、群れを形成することはなく単独生活をしており、茂みなどにひっそりと隠れて、突然獲物に襲い掛 かります。 木登りが得意で、捕らえた獲物を木に引っ張りあげて食べたり、子育 てをすることもあります。 環境破壊や美しい毛皮をとるための狩猟が続いた結果、絶滅の恐れが非常高くなっています。



現在はアムールヒョウのメスの「コロン」を飼育展示しています。コロンは若いので大変よく動きまわりますが、日中寝ていることも多いです。
ユキヒョウ Panthera uncia
外国 語の 表記 |
Snow Leopard 雪豹 유키효우 |
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分類 | 食肉目 ネコ科 |
分布 | 中央~西アジア(ネパール、インド北部、中国南部、アフガニスタンなど) |
保護 | 国際希少野生動植物種、CITES(附属書Ⅰ)、IUCN(EN) |
単独で生活するヒョウの仲間で、昼間は岩陰などで休んでいることが多く、夜間に小型の哺乳類(ネズミなど)~中型の哺乳類(ヤギ・シカなど)、 鳥類などを捕らえて生活しています。数千メートル級の標高の高い山岳地帯に生息しており、夏季は標高の高い場所(約5000メートル)へ、 冬季は比較的標高の低い場所(約1800メートル)へと移動しながら生活しています。寒さに適応するための長めの体毛や小さな耳介、太い四肢や尾などは特徴的です。 また足の裏にも毛が密集しているため、雪の斜面でも滑りにくくなっています。 家畜を襲う害獣として駆除されたり、毛皮や薬として利用されてきたため、絶滅の危機に瀕しています。



現在はオスの「スカイ」、メスの「ジーマ」を飼育展示しています。 夏場の暑さは苦手なので、暑い日中はエアコンの効いた室内展示場で展示をすることが多いです。
ライオン Panthera leo
外国 語の 表記 |
Lion 獅子 라이온 |
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分類 | 食肉目 ネコ科 |
分布 | アフリカ、南アジア |
保護 | 保護:CITES(附属書Ⅱ)、IUCN(VU) |
トラと並ぶネコ科最大の動物です。メスにはタテガミはありませんが、オスには立派なタテガミがあり、 頭部・肩・のど・胸・肘をおおっています。タテガミはおとなオスの証拠であり、完成するのに5~6年は かかります。 ネコ科の仲間としては珍しく「プライド」と呼ばれるオス数頭、メス数頭そして子供たちからなる群れで生活しており、1頭の獲物を連携プレーで捕らえ、獲物を分け合います。またオスだけのグループも認められており、まだ力の弱い若いオスグループであることが多いようです。獲物の多くはヌーなどのレイヨウ類ですが、時には若いゾウやキリンなど大型の哺乳類も連携プレーで狩ることもあるようです。



現在はオスの「クリス」、メスの「ララ」を飼育展示しています。屋外展示場の「ビューイングシェルター」からの眺めは迫力があります。
トラ Panthera tigris
外国 語の 表記 |
Tiger 虎 호랑이 |
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分類 | 食肉目 ネコ科 |
分布 | 南アジア、東アジア |
保護 | 国際希少野生動植物種、CITES(附属書Ⅰ)、IUCN(EN) |
トラは寒帯から熱帯にわたり広く分布しています。生息地域によるさまざまな亜種が存在し、寒帯のシベリア地方に生息する最も大きいといわれる亜種「アムールトラ」は全長350cmを超える個体もいます。そして最も小さいといわれている熱帯地方のトラは210cmしかないものもいます。繁殖期以外は単独でシカやイノシシなどを捕らえて生活しています。ネコ科動物の中では最大級でとても力強いのですが、さすがに人間の武器には到底かないません。毛皮や漢方薬に使われることを目的にした密猟が行われ、絶滅の危機に瀕しています。



現在はアムールトラのオスの「ミタケ」、メスの「月」を飼育展示しています。
インドに生息しているベンガルトラの白変種であり、全身の体毛が白色ですが、種類としては通常のトラとなんらかわりません。 先天的にメラニン色素が欠乏した真っ白なアルビノとは異なり、トラ独特の縞模様は確認できますが、通常のトラと比較するとその縞模様が薄かったり茶褐色となることが多いようです。 また瞳が淡い青色(通常は黄褐色)であること、肉球がピンク色(通常は黒色)であることなど体毛以外の違いも観察することができます。 かつてはインドの自然界にも生息していましたが、現在は飼育下でしか見られなくなりました。
現在、オスの「クラウン」1頭を飼育展示しています。2018年に完成した新屋外展示場では、様々な角度から観察することができます。