最新のどうぶつえん日記
トキ CNペアさらにその後 4月1日
1月24日の投稿でお話した、トキのCNペアの続報です。12月ごろからトキは繁殖期に突入しているのですが、
ほかのトキのペアが交尾などをし始める時期になっても、CNペアではそのような行動は見られず、繁殖期特有の婚姻色(黒くなること)も、
メスに比べてオスはあまり濃くならず、まだ若いしいろいろと時間がかかるかな、と思いながら見守っていました。しかし3月19日、
ちゃんと交尾行動が確認できました!(拍手)最初はメスの背中にバランスよく乗ることができず、ドタバタしている感じでしたが、
メスはしっかり許容姿勢で、受け入れ態勢はばっちり!交尾の後には2羽とも鳴き声を発するのですが(おそらくこの鳴くところまでが交尾行動なのかなと思います)
これもばっちり2羽とも鳴いており、いい感じ、あともうちょっと!という感じでした。
日に日に交尾行動の回数も増え、下旬に入り巣作り行動も見られるようになりました。他のペアでは、3月中旬に産卵が始まり、CNペアでも下旬ごろには生むかなと、
職員同士でも今日かな?そろそろじゃない?と楽しみに待っていました。そしてついに3月26日の夕方、CNペアで初産卵を確認することができました!(大拍手)
産卵をしても巣材が足らない場合や、何かしらの理由で抱卵行動をとらないこともあるのですが、CNペアではメスが産卵した後、すんなりオスが抱卵を始めました。
巣作りや抱卵がうまくいかないトキも見てきたので、この行動にはうれしさと感動がこみあげてきました。動物達にも人と同じように様々な経験が必要です。
トキたちにとっても「繁殖期をこの相手と上手く乗り越えることができた」、という経験はとても大きなもので、良い経験は次の年にも生かされていきます。
繁殖期はまだまだ続くので、彼らがスムーズに、そしてうまく子育てを終えることができるように、人も陰で頑張らねばなりません。(足立 珠央)
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プチ模様替え 3月30日
これまで、サニーには採食時間を延ばし退屈な時間を減らすことを目的にいくつかのフィーダー(給餌装置)を作ってきましたが、
もうすっかり慣れてしまっているようで、採食時間は延ばしていても退屈そうに見えました。
そこで、ちょっとした刺激を与えるため展示場のプチ模様替えを行いました。
施設係のTさんにお願いし、重さ2トンのヒューム管(土管)を移動してもらいました。
ついでに、新しい丸木を1本入れてもらいました。
サニーを展示場に出すと、ヒューム管の臭いを嗅ぎ、後肢で押してみたり、体を擦り付けたり、普段しない行動が見られました。
場所を変えただけですが、少しは刺激になったようです。ちなみに新しい丸木は少し臭いを嗅ぐ程度でした。
ヒューム管に対する新しい行動は、結局その日だけで翌日からはいつもの使用方法になってしまいましたが、小さくてもいいので、
新しい刺激を与えられるようにしていこうと思います。(小倉 康武)
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お気に召さなかったようです 3月30日
以前、アジアゾウのサニーに刺激を与えるため、コビトカバに与えていた「かじり木」を与えたことがありました。
サニーは、臭いを嗅ぎ少し動かす程度であまり遊んでくれませんでした。このときは、草食獣同士では刺激が少なく興味を示さなかったのかな?と思いました。
そこで、今回は、ライオンに与えてみることにしました。与える前に、普段の様子を見に行きました。
この日は、オスのクリスが室内展示場に出ていましたが、観察した1時間のほとんどを同じところを行ったり来たりする常同行動をしていました。
担当者に相談し、クリスにコビトカバが噛んでいたかじり木を与えてもらうことにしました。
予想では、草食獣の臭いに反応し遊んでくれるのではないか?と思っていましたが、結果は、ほんの少し臭いを嗅いで確認はしたものの興味は示さず、
観察した1時間のほとんどを寝て過ごしていました。どうやらお気に召さなかったようです。担当者によると、クリスは何を与えても反応は少ない方だとのことでした。
肉食獣なら反応するはずだという考えが甘かったなと思いました。ちなみに翌日メスのララは、このかじり木でよく遊んでくれたとのことでしたが、
コビトカバの臭いに反応したのか新しく入れた木に反応したのか分からないとのことでした。動物園には多種多様な動物がいるので、
衛生面や安全面に考慮しつつ、互いに臭いの交換を行い刺激しあえれば多様な行動を引き出せるのではないかと考えています。
また他の動物で試してみたいと思っています。(小倉 康武)
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お座り 3月25日
昨年、コビトカバ母親(ノゾミ)の追い出し行動があり、ノゾミと娘(ヤスコ)を別々の部屋で飼育することになってから、ノゾミと父親(ヒカル)の行動が少し変わりました。
ヒカルはノゾミとヤスコの2頭をとても気にして、何度も壁に前足をかけて立ち上がって覗き込むようになり、ノゾミもヒカルを気にして立ち上がるようになりました。
そして、下りるときに顎や首のあたりをぶつけて傷ができてしまうことがありました。
大したことがなければいいのですが、化膿したりすると大変です。対応策として、立ち上がらないようにすることは難しいので、できた傷を診やすくすることにしました。
4つ肢でいる状態では、顎や首は観察しにくいので、いわゆる「お座り」をさせることにしました。ヒカルは元々座ることがあったので、合図に合わせて近くで座るように教えました。ノゾミは、警戒心が強くなかなか座ってくれませんでしたが、1日1回、1回3分の練習を行い、約2ヶ月で座ってくれました。今ではノゾミかヒカルの片方の練習をしていると、もう片方が座ることもあります。柵の前で座らせることで、傷を見やすくなり傷口に消毒液をかけやすくなりました。幸い、化膿することはなく、最近では立ち上がる回数も減り、傷も減ってきました。ちなみに、成長したら立ちあがるであろうヤスコにも「お座り」を教えると、約1月半で座ってくれました。最近、ヤスコに点眼しなければいけない状況になりましたが、座ってくれるので、とても点眼しやすかったです。教えておいて良かったと思いました。(小倉 康武)
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ノゾミの体重測定 3月25日
ようやくコビトカバ母親(ノゾミ)の体重を量ることができました。娘(ヤスコ)と同居していた時は、ノゾミとヤスコを分けると落ち着かないので、体重計を置いたスペースには親子で入れていましたが、警戒心が強く餌で誘導しようとしましたが、体重計に乗るよりもヤスコの動きを気にしていて、一度もしっかり乗ってくれませんでした。昨年、ノゾミの追い出し行動があり、別々の部屋で飼育をはじめてもノゾミの警戒心は強く、簡単には体重計に乗ってくれませんでした。月日が経つと共に、警戒心は徐々に弱くなり、加えて「お座り」の練習をすることでノゾミに手渡しで餌を与える機会が増えたことで、ノゾミと私の関係も良好になり成功できたと思っています。写真は、ヤスコと同居していた頃の体重測定の様子と、ノゾミのみの体重測定の様子です。これで、コビトカバは3頭とも体重測定ができるようになりました。今後も定期的に行い健康管理の一つの指標にしていきたいと思います。(小倉 康武)
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